絶対音感トレーニングは、2歳～6歳半までに開始した方がよいと言われ、年齢が低ければ低いほど良いと言われる。従って、年齢の高い5歳や6歳になると難しくなり、多くのお教室では、6歳になった生徒さんはお断りしている所が多いようで、5歳でもお断りしている所もあるようである。

　

しかし、私がこれまで色んな生徒さんを見てきた結果、2歳、3歳でトレーニングを始めた生徒さんが意外と習得に時間がかかり、音を分化するにも時間がかかった生徒さんを何人も見てきており、一方で4歳から始めた生徒さんは、分化トレーニングをしなくても、和音の状態からすでに単音の絶対音感がついたケースもあるので、一概に年齢が低ければいいというものではない。

　

また現在、当教室で7歳の生徒さんが絶対音感トレーニングを受けているが、その生徒さんがトレーニングを始めたのは今からちょうど1年前の10月。最初は、赤と黄色の音を聴き分けるのに時間がかかったが、そのまま継続してみたところ、5か月目でようやく聴き分けができるようになり、3本目の旗以降は、驚くほどに順調に進み、ほとんど治療トレーニングをする必要もなく、今ではもう8本目の旗に入っている。このまま順調よく行けば来月には白鍵の旗全てが終わるだろう。

　

私の結論としては、年齢というのはあくまで目安であり、子供の成長には個人差があるため、たとえ年齢が6歳を過ぎてしまっても、少しでも可能性があるのであれば、やらせるべきだと考えている。確かに、一般的に、年齢の高いお子さんが絶対音感を習得するのに時間がかかるようだが、この生徒さんのように、滅多にないケースではあるが、スムーズにいくケースもある。反対に、3歳からトレーニングを始めたのに、思ったよりも習得に時間がかかるケースもザラにある。

　

従って、絶対音感習得の可能性は、年齢を考慮しなくてはいけないものの、それはそんなに重要ではなく、むしろ個人差によるところが大きいと感じているので、既に6歳になってしまったからと諦める必要はありません。